海外での映画賞受賞が続く金子雅和監督『アルビノの木』が、ドイツ・ベルリンで開催されたサンライト国際映画祭で特別賞を受賞。２０１８年には東京で金子雅和監督の特集上映が開催されることも決定しました。

　サンライト国際映画祭（Sunlight International Film Festival）は、インディペンデント映画制作者の商業主義によらない作品制作と上映の場を提供する場の開拓を目的に、ベルリンを拠点に開催される映画祭。
　授賞式は年によりベルリンとロシア・モスクワのいずれかで開催されており、２０１７年はベルリン国際映画祭の会場としても知られるベルリンの劇場・アーセナルで開催。10月25日に金子雅和監督と金子美由紀プロデューサーがアーセナルでの授賞式に出席しました。

　特別賞を受賞した『アルビノの木』は、害獣駆除の仕事に携わる青年と、青年が撃とうとする白い鹿を神の使いと崇める村の若い男女を中心に、自然と人間のあり方を問う作品。長野県須坂市を中心に、山形県、群馬県などでロケを観光した美しい映像も大きな魅力となっています。

　すでに『アルビノの木』は、インド・コルカタ国際文化映画祭の２０１６年12月度長編劇映画最優秀作品選出、ポルトガルのフィゲイラ・フィルム・アート２０１７最優秀長編劇映画、最優秀監督、最優秀撮影の三冠受賞、スウェーデン・ヴェステロース映画祭２０１７最優秀撮影賞受賞と海外の映画祭での受賞が続いています。今回のサンライト国際映画祭特別賞受賞に際し、金子監督は以下のようにコメントしています。

「私はドイツやロシア出身の映画監督たちを大変尊敬しています。例えばヴェルナー・ヘルツォーク監督、アンドレイ・タルコフスキー監督などなど。なので、ドイツのベルリンとロシアのモスクワで開催されているこの映画祭で賞を頂けたことは、大変光栄で、心から嬉しく思います」

　世界各地での受賞が続き金子監督への注目が高まる中、２０１８年新春に東京の池袋シネマ・ロサにて『アルビノの木』凱旋上映と金子雅和監督の特集上映がおこなわれることが決定しました。
　詳細は未発表ながら、金子監督の全作品一挙上映が予定されており、映画美学校修了作品で劇場公開された『すみれ人形』や短編など、金子監督の描き出すさまざまな世界を堪能できる機会となることが期待されます。

　また、ロケ地ともなった長野県の上田市・上田文化会館で開催される第21回うえだ城下町映画祭では、11月18日(土)にプログラム「信州ゆかりの若手映画監督」の１本として『アルビノの木』が上映。同映画祭は『すみれ人形』以来金子監督の作品を上映しており、東京での特集上映に先駆けての凱旋上映となります。