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波岡一喜さんとの共演に栗林藍希さん「誰より優しかった」 『聖なる蝶 赤い部屋』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつをおこなった窪田将治監督、栗林藍希(くりばやし・あいの)さん、波岡一喜さん、柾木玲弥さん(左より)
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 栗林藍希さんと波岡一喜さんの主演で江戸川乱歩の小説を映画化した『聖なる蝶 赤い部屋』が4月16日にシネマート新宿で初日を迎え、栗林さんと波岡さん、共演の柾木玲弥さん、窪田将治監督が舞台あいさつをおこないました。

 『聖なる蝶 赤い部屋』は、江戸川乱歩の小説を現代風にアレンジして映画化する「赤い部屋」シリーズの第3弾で三部作完結編となる作品。「少年探偵団」の一作である「悪魔人形」を大胆にアレンジし、生徒を盗撮しすべてを失った元高校教師の男と彼に近づく女子高生との歪んだ恋愛を描くエロティック・サスペンスとなっています。

 前2作に続きメガホンをとった窪田将治監督は「三部作ということで始めて、ようやくこの3本目が公開できたということで、いち映画人として嬉しく思っています」とあいさつ。今回の『聖なる蝶 赤い部屋』では最初にラストシーンのイメージがあって脚本を執筆し「これに合う原作はないかな」と脚本に原作の要素を加えていくという「いままでのと違って真逆のやり方」で作られたと制作の過程を説明しました。

 主人公の元高校教師・杉浦を演じた波岡一喜さんは、脚本を読んだ段階でラストシーンのためにそれまでのストーリーがあるという監督の意図を感じたため「最後のシーンを撮るときには100倍くらい気合が入っていた。ちょっと空回りすぎたぐらいの感じはあったかなと思っています」と振り返りました。

 また窪田監督は「そういうこと(=ラストシーン)やりたいというのだけ頭にあって、原作こういうのってないかなみたいな状態」のときに女子高生・ルミを演じた栗林藍希さんにオーディションで会い「“こいつでこういうことできるんじゃないかな?”というところからスタートしたっていう感じです。ほんとにこの企画は逆算が多い」と、主演が栗林さんに決まったことが作品の方向を決めたと明かし、栗林さんは「知らなかったので、すごく嬉しいです」と笑顔で応えました。

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女子高生・ルミ役の栗林藍希さん

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元高校教師・杉浦役の波岡一喜さん

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宅配ドライバーの青年役の柾木玲弥さん

 栗林さんは初共演だった波岡さんについて「見た目が怖いのでちょっとビクビクしていた部分もあったんですけど(笑)、誰よりも優しかったです」と印象をコメント。
 波岡さんは、お互いにヌードでのシーンも多かった栗林さんとは「我々にしか見えない友情というか、愛情というか、思いやりというかっていう関係性がありますね」と話し、あるシーンでは「ここはちょっと(栗林さんを)守ってあげよう」という気持ちだったと話すと、栗林さんは「お父さんみたいな感じです(笑)」と波岡さんの現場での様子をうかがわせました。
 さらに栗林さんは「すごく助けていただきました。たぶん、波岡さんじゃなくて自分と同い年くらいの人だったらちょっとだダメでした。たくさん大変なことはありましたけど、波岡さんがたくさんサポートしてくれたので、全部無事に終われたかなと思っています」と波岡さんの存在が大きな助けになったと語り、波岡さんは「慈悲の気持ちを持ってやっていました」と話すとともに「ただ、官能的なシーンはね、ちょっとビビってますね、ぼくの中で」と、完成した作品を自身で観ての感想を付け加えました。

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舞台あいさつ中の栗林藍希さん(左)と波岡一喜さん

 劇中では、柾木玲弥さん演じる宅配ドライバーの青年が、ルミを杉浦の手から救おうとして3人が乱闘となるシーンも。柾木さんは、以前に窪田監督の作品に出演した際(2015年『BAR神風〜誤魔化しドライブ〜』)、窪田監督に「芝居の現場でいままで一番なくらい」怒られた経験があり「それでいまがあるので“俺、成長しました”というのを窪田監督に見せたかったみたいな気持ちはありました」と、そのシーンで気持ちが入っていたとコメント。
 柾木さんのその発言を受け窪田監督が「ほんとに(そのシーンの柾木さんが)よかった。嬉しかったもん。俺、ちょっと泣きそうになった」と話すと、そのシーンで柾木さんに殴られたり暴力を振るわれる役の波岡さんは「ぼくも振り回されて泣きそうになってました」と冗談も一言。
 その乱闘シーンについて窪田監督は「波岡はしっかり受けてくれればいい。玲弥がよかったので、それで藍希がガンガン引っ張られてというのがよかったんですよ。実際(映画全体が)そういう話だから、ルミが引っ張られないと成立しないので、それがうまいこと行ったということですよね、あそこのシーンは」と監督の視点で話しました。

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メガホンをとった窪田将治監督

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舞台あいさつ中の波岡一喜さん(左)と柾木玲弥さん

 舞台あいさつは、登壇者それぞれのメッセージで締めくくられました。

「逆に観た人に訊きたいんですけど、ぼくの役というのは、ただの勘違い野郎に見えてるのか、それとも変態野郎に見えてるのか(それは同じじゃない? と波岡さんから指摘され)ただ守りたくてやっている人なのか、それともちょっと(思うところが)あるのかというのを訊きたいというか、訊かなくてもいいんですけど(笑)。このおふたりの体当たりな演技が羽ばたいたらいいなと思ってます」(柾木玲弥さん)

「今日は観てくれてありがとうございます。私も正直この映画を観るまでドキドキしていたんですけど、観たときに、すごく面白いなって本当に思いました。なので今日から公開で続くので、また観たいなと思ったらぜひ観てほしいです」(栗林藍希さん)

「この映画のよさというのは、(杉浦、ルミ、宅配ドライバーの)3人それぞれ抱えて生きて、一生懸命愛しあって、宅配便の人もほんとになにか惹かれるものがあって、それぞれの行動をしていた結果、歪んだ結末にはなってしまうのですが、ぼくの中ではちょっと純愛というか、ちょっと歪んだ愛ですが、それすら最後には崩壊してしまうという、本当の愛の物語だと思います。より多くの人に観てもらえたらと思います。本日はありがとうございました」(波岡一喜さん)

「ほんとに大変な時期なんですけど、今日を皮切りにこれから2週間(上映が)続きます。これはいつも言うんですけど、ぼくたち映画人というのはスクリーンがあってこそ存在できる人種なので、こういう時代でなかなかスクリーンにかけられないとかいろいろな制約がある状態の中でも、こうやってシネマート新宿さんでかけていただけるということが、とても幸せでありがたく思っています。いつもいつも助けてもらってます。なので、これでみなさんに船出として届きましたので、これからこの映画が育つか育たないかというのは、もうぼくの手を離れてしまってみなさんにかかっているので、これからも応援していただければ嬉しいなと思います。本日は本当にありがとうございました」(窪田将治監督)

 昨年公開の『メビウスの悪女 赤い部屋』、4月2日に公開された『裸の天使 赤い部屋』に続き、最後の“赤い部屋で語られる物語”となる『聖なる蝶 赤い部屋』は、舞台あいさつ登壇者のほか、シリーズ第1弾より3作続けて出演している柳憂怜さん、木下ほうかさん、草野康太さんが出演。4月16日(金)より29日(木)までシネマート新宿にて2週間限定レイトショーのほか、5月1日(土)より名古屋のシネマスコーレにて公開。大阪のシアターセブンでの上映も決定しています。

聖なる蝶 赤い部屋

  • 出演:栗林藍希/波岡一喜/柾木玲弥/柳憂怜 木下ほうか 草野康太

  • 原案:江戸川乱歩「悪魔人形」
  • 監督・脚本・編集:窪田将治
  • エグゼクティブプロデューサー:村上潔
  • プロデューサー:山口幸彦/宮下昇
  • 撮影:春木康輔
  • 照明:大久保礼司
  • 録音:高島良太
  • 音楽:與語一平
  • 美術:加藤ちか
  • へアメイク:藤川美紗/日野原遥
  • スタイリスト:森内陽子
  • 助監督:高原一
  • 制作担当:大川伸介
  • 製作:キングレコード/フェイスエンタテインメント
  • 企画・制作プロダクション:フェイスエンタテインメント
  • 配給:キングレコード
  • 宣伝協力:ブラウニー

  • 2021年/カラー/75分

2021年4月16日(金)よりシネマート新宿にて2週間限定レイトショー 5月1日(土)よりシネマスコーレ(名古屋)で上映、シアターセブン(大阪)上映決定

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