現在各地で上映中の『ひとくず』がワールド・インディペンデント・シネマ・アワード2021(WICA2021)で外国映画部門最優秀作品賞と同最優秀主演男優賞を受賞し、監督・主演の上西雄大さんのコメントが発表されました。
ロングランヒット上映中『ひとくず』WICA受賞に上西雄大監督感謝と決意のコメント発表
上西雄大さんが主演・監督・脚本・編集・プロデューサーをつとめて制作された『ひとくず』は、犯罪を繰り返し“くず”のように生きてきた男が、実の母親とその恋人に虐待されている幼い少女を救おうとする姿を通して、児童虐待の現実やその背景を描いた作品。
2020年3月14日に東京のユーロスペースで公開され上映期間延長となる好評を博し、緊急事態宣言発令による上映の中断・延期に見舞われつつも10月には東京での再上映と全国公開がスタート。大阪のシアターセブンでは10週を越えるロングラン上映を継続中、ユーロスペースでのアンコール上映も好評で再アンコール上映が決まるなど、2021年1月31日現在、各地での上映が継続しています。
今回『ひとくず』(英語題『Kanemasa』)が受賞したワールド・インディペンデント・シネマ・アワード(WORLD INDEPENDENT CINEMA AWARDS/略称 WICA)は、ロンドン、ニース、マドリッド、アントワープ、ミラノの各国際映画祭とともにFilm Fest Internationalを構成する映画祭のひとつ。『ひとくず』は同映画祭の最高賞にあたる外国映画部門最優秀作品賞)と外国映画部門最優秀主演男優賞(Best Lead Actor in a Foreign Language Film)を受賞しました。
『ひとくず』は雑誌「映画芸術」のベスト&ワースト2020で映画芸術編集部ベストの5位に選出、ロンドン国際映画祭で外国語映画部門最優秀作品賞と最優秀主演男優賞を受賞するなど国内外で評価を得ており、今回また受賞歴が更新されました。
WICA2021での受賞にあたり、上西監督と同映画祭セレクションディレクターのカール・トゥニー(Carl Tooney)さんが以下のようにコメントを発表しています。
主演・監督・脚本・編集・プロデューサー:上西雄大さんコメント
映画『ひとくず』はコロナ禍と言う土砂降りの中を全力で駆ける馬の様に思います。
その背に僕が虐待の現実について知った夜、心を乱し、様々な激しい感情の置き所を求め書き、救いを求めた想いや僕等の演者としての意義を背負い、今日も劇場のスクリーンを走り、観て頂ける方々に多くの想いを届けています。
この作品との旅はとても多くの事に心を震わせ続きます。
映画祭から頂くローレルはこの馬の鞍に飾らせて頂き、この馬の使命に力を添えて頂きました。
そして、今多くの方に何度も劇場にお越し頂き、また今日もこの馬との出会いに多くの新しき方々に劇場に足をお運び頂いて大いなる感謝と言葉で表現出来ない程の幸せを感じております。
そして、映画『ひとくず』が一人でも多くの方と出会える旅を続ける為、劇場様方にスクリーンを与えて頂ける事を心から願い、この馬との旅を雨が止み揚々と高く陽が輝く青空の日までやむことなく走り抜けようと、また今心に固く誓いました
(写真:2020年2月にロンドン国際映画祭でトロフィーを受け取る上西雄大監督)
WICA 主催者:カール・トゥニーさんコメント
上西雄大監督は毎回とてもクオリティの高い映画を作るので、我々映画祭グループの審査員全員が彼の映画制作者としての技量にとても関心を持っている。
彼はとてもスキルの高いフィルムメーカーである。彼の映画は非常に良くできており、受賞に値すると思う。審査員一同、また私自身も毎回彼の新作を非常に楽しみにしている。
児童相談所で長年にわたり児童虐待に触れてきた児童精神科医・楠部知子さんから「虐待してしまう大人もまた傷ついている」という実態を知った上西監督が、虐待をしてしまう大人にも眼を向けてあげてほしいと制作した『ひとくず』は、児童虐待という題材を真摯に扱いつつ、高いエンターテイメント性を持った感動の人間ドラマとなっています。
また『ひとくず』が各地で上映され動員を増やしている一方で、上西監督の新作で赤井英和さんと上西監督ががダブル主演をつとめる『ねばぎば 新世界』もニース国際映画祭で外国映画部門最優秀作品賞(グランプリ)と最優秀脚本賞を受賞しており、公開予定の同作への期待も高まります。
『ひとくず』は、現在各地で上映中です。
『ひとくず』上映状況(※2021年1月31日時点)
現在上映中
- ユーロスペース(東京)
- シアターセブン(大阪)
- MOVIX堺(大阪)
- イオンシネマ西大和(奈良)
- ジストシネマ田辺(和歌山)
上映予定
- 2月5日(金)より 千葉劇場(千葉)
- 2月9日(火)より 玉津東天紅(大分)
- 2月19日(金)より なんばパークスシネマ(大阪) MOVIX仙台(宮城) MOVIX伊勢崎(群馬) MOVIX宇都宮(栃木) MOVIX周南(山口) MOVIX日吉津(鳥取) 豊岡劇場(兵庫)
- 2月26日(金)より 佐久アムシネマ(長野)
- 2月27日(土)より 元町映画館(兵庫)
- 3月2日(火)より KBCシネマ(福岡)
- 3月6日(土)より ツインシネマ(山口)
- 3月26日(金)より 呉ポポロシアター(広島)
- 時期調整中 土浦セントラルシネマズ(茨城)シネモンド(石川)
- 3月アンコール上映決定 横浜シネマジャック&ベティ(神奈川) 京都みなみ会館(京都)