7月10日より新宿K's cinemaで公開されるイシヅカユウさん主演、東海林毅監督の『片袖の魚』予告編が公開され、海外映画祭への参加やサントラと書籍の発売も発表されました。
『片袖の魚』は、詩人・文月悠光(ふづき・ゆみ)さんの同名詩を原案に、自分に自身を持てないまま社会生活を送るひとりのトランス女性が新たな一歩を踏み出そうとする姿を描いた短編作品。
監督やVFXアーティストとしてエンターテイメント作品に携わりつつ自主制作で作家性のつよい短編を発表している東海林毅監督が、自ら脚本も執筆して監督しています。
東海林監督の意向により日本では初となるトランスジェンダー当事者を対象としたオーディションを実施し、ファッションモデルとして活躍しCM出演でも話題のイシヅカユウさんが主演に起用されました。
制作発表以来、特報公開などで作品への期待が高まる中、待望の予告編が公開されました。
予告編はイシヅカユウさんが演じる新谷ひかりの葛藤を感じさせるやりとりで始まり、水槽で泳ぐ熱帯魚の印象的な映像を挟みつつひかりの表情が映し出されていきます。
また、予告編の冒頭にも表示されているように、同作はすでに第32回ホノルル・レインボーフィルム・フェスティバル(The Honolulu Rainbow Film Festival )、アウトサウス・クィアフィルム・フェスティバル(OutSouth Queer Film Festival)の、いずれも25年以上の歴史を持つLGBT+系映画祭に正式招待が決定されており、日本公開前から国際的な注目を集めています。
予告編公開にあわせて、主人公・ひかり役のイシヅカユウさん、イシヅカユウさんと同じくオーディションで選ばれたひかりの友人・千秋役の広畑りかさん、ひかりの同僚・辻史夏役の猪狩ともかさん、原案者の文月悠光さん、東海林毅監督の最新コメントが公式サイトに掲載されています。
そして、サウンドトラックCDの発売も決定。蓮沼執太フィルのドラマーでありアーティストのサポートや楽曲提供でも活躍するJimanicaこと尾嶋優さんによる劇中音楽を収録したサウンドトラックには、原案者のふづき遊さんが作詞し尾嶋優さん作曲、Usui Miynaさんが歌う書き下ろし主題歌「RED FISH」も収録され、劇場で先行販売が予定されています。
さらにパンフレットを、一般書店流通も念頭に置いた96ページの書籍として制作。作品のテーマをより多くの方に永く伝えたいという願いを込め、映画のイメージを増幅させる創作物となるべく制作されるこの書籍は、イシヅカユウさんの撮り下ろしフォトやトランスジェンダーの社会・文化史研究家である三橋順子さん、小説家・日中翻訳家の李琴峰さんらの寄稿、監督鼎談、漫画などで構成されます。
もうひとつの試みとして、K's cinemaでは初となるウェブ予約割引が実施されます。これは、劇場公式サイトで事前にチケットを購入すると当日料金が1000円に割引されるもので、鑑賞日の3日前より可能となります。
各方面で注目のキャストと精鋭スタッフに寄る作品を、短編の単独劇場公開という意欲的なかたちで届ける『片袖の魚』は、7月10日(土)より新宿K's cinemaにて公開。以降、全国順次公開されます。