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笠松将さん主演・阿部純子さんヒロインの金子雅和監督『リング・ワンダリング』2022年2月公開

 主演に笠松将さん、ヒロインに阿部純子さんを迎えた金子雅和監督の新作『リング・ワンダリング』が、2022年2月シアター・イメージフォーラムほか全国公開されることが発表されました。

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『リング・ワンダリング』で主人公・草介を演じる笠松将さん

 『リング・ワンダリング』は、東京の下町を舞台に、漫画家を目指す青年と、不思議な娘との一夜の出会いを描く幻想譚。
 メガホンをとる金子雅和監督は、映画美学校の修了作品として製作した監督作『すみれ人形』が2008年に劇場公開され、その後も短編作品を精力的に発表。2016年公開の長編第1作『アルビノの木』で北京国際映画祭など世界各国の映画祭でグランプリ含む20の賞を受賞し、2018年には特集上映が開催されるなど注目が高まる中での待望のオリジナル新作長編公開となります。

 主人公の草介は、漫画家を目指し、絶滅したニホンオオカミを題材とした作品を構想するもうまく描けず悩む青年。
 不思議な娘・ミドリに怪我を負わせてしまい彼女を送り届けることになった草介が、写真館を営むミドリの家族と出会い、東京という土地に眠る過去の記憶を知ることになるという物語で、人間の「生」や「死」実感を持てなかった若者が運命的な出会いを通して命の重みを知る切ない幻想的な物語となっています。

 草介を演じるのは、主演作『花と雨』(2019年/土屋貴史監督)『ファンファーレが鳴り響く』(2020年/森田和樹監督)など映画・テレビドラマへの出演が続くいま勢いに乗っている若手俳優の笠松将さん。
 そして、河瀨直美監督作品『2つ目の窓』(2014年)ででサハリン国際映画祭主演女優賞を受賞(当時の芸名は吉永淳)するなど国際的に評価され『孤狼の血』(2018年/白石和彌監督)などに出演する阿部純子さんが、草介が出会うミドリと、草介の描く漫画のヒロイン・梢の二役を演じます。

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『リング・ワンダリング』でヒロインのミドリと梢を演じる阿部純子さん

 公開決定にあたり、笠松将さんと阿部純子さん、金子雅和監督は次のようにコメントを発表。コメントからは、出演者と監督が互いに寄せる信頼がうかがえます。

主人公・草介役:笠松将さんコメント

金子監督とは、沢山の意見交換を行いました。監督の全身全霊の愛を感じる事ができる、暖かい作品になっています。
草介という役については、先の事は一切考えず、目の前のことだけに熱中する事を大切にしました。
不思議な世界のお話です。ただ、もしかしたら僕たちもこの主人公のような体験を知らず知らずの内にしているのかもしれない。
この作品に出会い、僕には知らない事があまりにも多いという事に気付かされました。大切なものをもっと大切に生きていきたいと思います。
とても繊細で、優しい、ヒューマンドラマです。思い悩むこの時代の全ての人が、優しくなれる作品です。

ヒロイン・ミドリ役/梢役(二役):阿部純子さんコメント

金子監督の作る映画の美しさは、まるで墨絵のような深みがあります。
日本でしか見られない壮大な自然が、ひとりの登場人物として雄弁に語り出し、いつの間にか物語を凌駕しているのです。
初めてロケ現場に足を踏み入れた時、 一切の妥協を許さない監督の作品に対する姿勢に圧倒されたことを覚えています。
私は、ただ、その映画の登場人物として、 自然の中でそこに”ある”ことができて、本当に幸せでした。
「リング・ワンダリング」とは、『人が方向感覚を失い、無意識のうちに円を描くように同一地点を彷徨い歩くこと』を指す、とのこと。
この映画で、ぜひそんな感覚を疑似体験してみてください。

金子雅和監督コメント

自然と人間の関係を描いた初長編監督作『アルビノの木』の公開が終わったあと、オリンピックに向け再開発が進む東京に対し言葉にならない不安を抱いていた私は、ある日突然、東京の地面の下から発掘された遺物をきっかけに、この土地が持っている過去の記憶が蘇る物語を発想しました。
本作のタイトルは、漫画を描くことに没頭する若き主人公が体験した、現実と幻想の間を行き来する「命の旅」を表わしています。
主人公を演じる笠松将さんの野生的な佇まいと眼差し、ヒロインの阿部純子さんが持つ神秘性。この二人以外はなかった、と確信する彼らの魅力が、一夜の儚い夢のような物語を実現させてくれました。ぜひ劇場でご体験下さい。

 脚本は、テレビアニメなど幅広い作品の脚本をを手がける吉村元希さんと金子監督が共作。前作『アルビノの木』を含めこれまでの金子監督作品ではその多くで監督自身が撮影も担当していましたが今回の『リング・ワンダリング』では古屋幸一さんが撮影を担当しており、どんな映像が生み出されているのか期待されます。
 また、水で絵を描き墨をたらすという独自の手法で知られるマンガ家の森泉岳土(もりいずみ・たけひと)さんが劇中漫画を担当しているのも注目です。

 『リング・ワンダリング』は2022年2月、シアター・イメージフォーラムほか全国公開。公開に向け今後の情報公開も楽しみです。

リング・ワンダリング

  • 監督:金子雅和
  • 脚本:金子雅和/吉村元希
  • 劇中漫画:森泉岳土
  • 音楽:富山優子

  • 撮影:古屋幸一
  • 照明:吉川慎太郎
  • 美術:部谷京子
  • 録音:岩間翼
  • 音響:黄永昌
  • VFX:高橋昂也
  • スタイリスト:チバヤスヒロ
  • メイク:知野香那子
  • イメージボード:金子美由紀
  • 助監督:土屋圭
  • 制作主任:名倉愛
  • アソシエイトプロデューサー:松井晶子
  • ラインプロデューサー:武石宏登
  • キャスティング:大松高
  • エグゼクティヴ・プロデューサー:松本光司
  • プロデューサー:塩月隆史/鴻池和彦
  • 製作協力:中山豊/中田直美

  • 製作:リング・ワンダリング製作委員会(Monkey Syndicate、ラフター、プロジェクト ドーン、cinepos、kinone)
  • 配給宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト

  • ©2021 リング・ワンダリング製作委員会
  • 2021年/カラー/103分

2022年2月 シアター・イメージフォーラムほか全国公開

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