高知県を舞台に孤独を抱える3人の男女の姿を描く『ロストサマー』(麻美監督/10月6日高知先行公開・10月13日公開)の公開を前に、メインの登場人物3人それぞれの表情を切り取った個別ヴィジュアルが解禁。また、俳優・映画監督など著名人より寄せられた応援コメントも解禁されました。
『ロストサマー』は、高知県を舞台に、その日暮らしを送る青年・フユ、妻を亡くした老人・秋、夫とすれ違いが続く女性・春の3人が、偶然に出会い関わりあう中で、それぞれの喪失感と向き合っていく物語。
1988年生まれの俳優4人による映像制作ユニット・889FILM初の長編作品で、同ユニットのメンバーで廣木隆一監督作品などに出演する俳優でもある麻美(あみ)監督が、高校時代に書きはじめたオリジナル脚本を自らのメガホンで映像化しています。
青年と老人がメインの作品であることから、主演には889FILMメンバー以外がキャスティングされており、フユ役には『草の響き』(2021年/斎藤久志監督)でデビューし着実にキャリアを重ねる若手俳優の林裕太さん、秋役には3度の読売演劇大賞優秀男優賞に輝く文学座所属のベテラン・小林勝也さんと、世代の違うふたりがダブル主演。
さらに、主人公ふたりと出会う女性・春を889FILM代表の中澤梓佐さんが演じるほか、廣田朋菜さん、土屋壮さん、橋野純平さん、松浦祐也さん、889FILMメンバーの関口アナンさんと椿弓里奈さんらが共演しています。
このほど解禁された個別ヴィジュアルは、フユと秋と春、それぞれのアップの写真に、登場人物それぞれの内面を示すようなセリフが添えられたもの。
ポスターヴィジュアルと同様にピンクの色調をメインとしつつも、どこか和やかさも漂うようなポスターとはまた雰囲気を異にした、表情から登場人物の感情が溢れ出るような、鮮烈な印象を与えるものになっています。
また、映画監督で『ロストサマー』が先行公開される高知県の映画館・キネマ Mの代表である安藤桃子さんら、多くの映画監督、俳優などから応援のコメントが寄せられています。
安藤桃子さんは「ひとコマひとコマの画にピュアな情熱が焼きついて、一瞬一瞬に突き動かされる。」、俳優の菜 葉 菜さんは「麻美監督のこの作品に対する15年間の重みと計り知れないパワーがそこには存在し、心に真っ直ぐに突き刺さる。」、同じく俳優の藤原季節さんは「僕も純真に、何かを賭けて、恥じらいながら全てを曝け出して演技をしていきたい。映画を見ながら、そんなことを思った。」、お笑い芸人のみなみかわさんは「なんだかダメだった日にこそ観返したい、そんな作品って素晴らしい。」など、それぞれの視点で映画の魅力を伝えています。
(※以下、コメントされた方のお名前五十音順に掲載)
映画監督・安藤桃子さんコメント
デビュー作は、一生に一度きり。監督の全てがむき出しに現れる。この作品で、自分との約束を果たした麻美監督。
ひとコマひとコマの画にピュアな情熱が焼きついて、一瞬一瞬に突き動かされる。春夏秋冬、喜怒哀楽、全てが、高知という土地のもつ深い懐に抱かれ、溶け合い、優しく輝いている。
俳優・奥野瑛太さんコメント
年がら年中とっ散らかっていると思い込んでいた感覚は、四季の彩りを通じて無意識に個人に馴染み、整理されているものなのかもしれない。どの季節が欠けても自分は成り立たなくて、でも当たり前に巡ってくるのだからそれほど気には留めないことなのだけれど。 秋とフユが巡り会えば自ずと芽吹きの春はやってくる。あとは、どう青々と育っていくかだけだ。観ている間、ずっと夏の到来を切望していました…普段は本当に夏が嫌いなんですが。
俳優・河合優実さんコメント
どこまでいっても自分は自分の中から出られないことを承知しながら、それでも他者と通じ合おうとする彼らのやり方は、静かだけど、能動的で、希望があるように見えました。この映画に出てくる人物たちに自分を重ねて見る人は、きっと優しい人なのだろうと思います。
映画監督・菊地健雄さんコメント
美しく人情味に溢れる高知の風景に浸りながら、人間の本質にはやっぱり寂しさがあって、だからこそ誰かと繋がりたくて、そこにドラマが生まれるというシンプルな構造にすっかり心を奪われました。889FILMにしかできない素晴らしいチャレンジに拍手!
俳優・中村映里子さんコメント
纏わりつく孤独と寂しさが、他者のそれらと溶け合っていた。 溶けて消えるわけではないけれど、世界が優しくひろがっているようでした。高知のきれいな海が波打ち輝くように、心と心が重なり揺れるその瞬間を揺るぎなく捉えていました。
俳優・菜 葉 菜さんコメント
一つ一つのシーンから感じられる熱量、それは麻美監督のこの作品に対する15年間の重みと計り知れないパワーがそこには存在し、心に真っ直ぐに突き刺さる。 しかし、それは痛みではなく、むしろ心地よさとも言える不思議な感覚、、 3人の登場人物たち、そして孤独を感じる私たちに対する彼女の優しい眼差しなのだ。『ロストサマー』どうか1人でも多くの方に届きますように。。
映画監督・廣木隆一さんコメント
今、映画監督麻美の特別な秋が今始まろうとしています。それを僕は近くで見舞って応援していこうと思います。初めての映画の中で麻美は何を解放していくのか今まで見したことのない、感じたことがない風景と時間が流れ、その中から何が見えてくるのか。映画はそれを間違いなく映し出してくれる。僕はそれを見届けたい。そして、それは皆んなにも届けたい。届くはずだ
俳優・藤原季節さんコメント
自分の存在価値に迷えば、誰かに寄りかかりたくなる。麻美監督の視座に、他の映画にはない妙な生々しさを時々感じた。もっと閉じられたパーソナルな場所へ潜り込んでいきたい。僕も純真に、何かを賭けて、恥じらいながら全てを曝け出して演技をしていきたい。映画を見ながら、そんなことを思った。
お笑い芸人・みなみかわさんコメント
何やら言葉にできず、そして言葉に出来たところで口に出すのも躊躇される、そんな心のつっかえみたいなのを、否定も激励もせずに許容してくれるそんな映画でした。なんだかダメだった日にこそ観返したい、そんな作品って素晴らしい。
俳優が自ら企画し、プロデュース・製作、そして配給までをおこなうという意欲的な作品となっている『ロストサマー』は、映画の舞台であり撮影がおこなわれた高知県にあるキネマ Mで10月6日金曜日より先行公開、10月13日金曜日より東京の新宿武蔵野館ほかにて公開されます。
解禁された『ロストサマー』個別ヴィジュアル。左より、中澤梓佐さん演じる春、林裕太さん演じるフユ、小林勝也さん演じる秋 ©映画「ロストサマー」