会見をおこなった日高虎太郎(ひだか・こたろう)監督、古林南(こばやし・みなみ)さん、田村明石(たむら・あかし)さん、小川信一朗プロデューサー(左より)
※画像をクリックすると大きく表示します
怪我をきっかけに心を通わせていく女子高校生ふたりが主人公の『2人のギブス』(8月30日公開)のプレス向け試写が6月20日に都内で開催され、上映後に出演者の古林南さんと田村明石さん、日高虎太郎監督、小川信一朗プロデューサーが会見をおこないました。
『2人のギブス』は、大会を前に怪我をして揃ってギブスと松葉杖の生活になったふたりの女子バスケ部員・愛花(まなか)と詩織が過ごす夏の日々を、愛花の彼氏の男子バスケ部員・中谷やバスケ部マネージャー・綾との関係を交えながら描いていく青春ストーリー。
これが初の劇場公開作となる日高虎太郎監督は「この作品は2年前のちょうどいまくらいの時期に撮影をした作品で、これから公開に向けて、みなさまにもぜひ見届けていただけたらと思っております」とあいさつ。作品を作ったきっかけについて「3年くらい前に、下北沢の駅前で、ギプスを付けて松葉杖をついて歩いている女子高生2人組を実際に目撃して、そこからモチーフを膨らませてこの作品を作っています」と、実体験をヒントにしていると話しました。
ふたりの主人公のひとり・詩織を演じた古林南さんは、試写会当日が30度を越える暑さだったことに触れ「ほんとに暑い中撮っていたのを思い出す暑さで、みなさんも劇場を出たら、愛花と詩織、ふたりが生きていたのと同じ世界を味わえると思うので(笑)」とコメント。ほぼ全編ギプスを付けての演技について「身体的に負荷がかかっている状態でお芝居をしたことがなくて、ギプス自体も人生で付けたことがなかったので、詩織の窮屈さと、自分の俳優としての窮屈さが、いい感じでリンクして、役に入りやすかったのは印象に残っています」と振り返りました。
男子バスケ部員の中谷を演じた田村明石さんは、演じた役について「中谷は、クズみたいな感じで映っていると思うんですけど、実はメチャメチャいい奴なんで」と話し、撮影時は役に入っていて苦しかったと回想。久しぶりの鑑賞で「当時の感情を思い出して、エモーショナルな気持ちになっています」と心境を語りました。
会見では、演出の意図を尋ねる質問も出され、日高監督は登場人物の「関係性」を描くことを重視しており、関係性やその変化を描くための表現として、大胆にも思える演出をしていることを明かしました。
『2人のギブス』は、これまでウェブでの作品公開や映画祭出品などの活動をおこなってきた映画制作団体「小さな映画」の初めての劇場公開作品となり、プロデューサーをつとめた小川信一朗さんは「自分たちの身内以外に届きはじめていて、その輪をどう広げられるかということを自分たちなりに挑戦させていただきますので」と意欲を語るとともに、作品を広めていくことへの協力を呼びかけました。
2024年に新人監督の登竜門として定評のあるTAMA NEW WAVE「ある視点」に出品され劇場公開へとつながった『2人のギブス』は、ほかに主人公・愛花を演じる古見陽香里(ふるみ・ひかり)さんや、マネージャー役の望月ゆうかさんらが出演。8月30日土曜日より、東京の新宿K's cinemaにて公開されます。