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6月6日公開『永遠の待ち人』ヒロイン役・高崎かなみさんら出演者のコメントと予告編など解禁

 太田慶監督がドストエフスキーの「白夜」をモチーフに描く『永遠の待ち人』が6月6日に公開されるのを前に、予告編と新たな場面写真が解禁。また、ダブルヒロインのひとりを演じる高崎かなみさんら出演者のコメントが公開されました。

 『永遠の待ち人』は、文豪・ドストエフスキーが孤独な背年の成就しない恋を描いた短編小説「白夜」に着想を得て現代の日本を舞台に描く作品。妻に去られた男と恋人を待ち居続ける女の物語が、秋の東京の中で綴られ、モチーフである「白夜」とは異なる新たなエンディングを提示していきます。

 監督・脚本は、映画会社・日活で働きつつインディーズで『狂える世界のためのレクイエム』(2015年)『桃源郷的娘』(2018年)と監督作を送り出してきた太田慶監督。
 太田監督の過去作すべてに出演している俳優・永里健太朗さんが妻に去られた主人公・篠田泰明を演じ、『ビリーバーズ』(2022年/城定秀夫監督)で注目を集めた北村優衣さんが恋人を3年間待ち続けているヒロイン・高村美沙子を、グラビアで活躍するほか『うみべの女の子』(2021年/ウエダアツシ監督)などに出演する高崎かなみさんがもうひとりのヒロインである泰明の妻・麻美を演じています。

 6月6日の公開を前に解禁された予告編は、仕事優先で家庭を顧みない泰明と、それに不満を抱く麻美の会話で幕を開け、泰明と美沙子の出会いや、美沙子の過去、泰明の前に現し彼を惑わすような言葉を口にする麻美の姿などが、ラヴェルのピアノ曲をバックに映し出されていきます。
 合わせて解禁された新たな場面写真8点には、夕焼けの中で会話する泰明と美沙子をはじめ、予告編でも印象などが切り取られています。

【『永遠の待ち人』予告編】
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新たに解禁された『永遠の待ち人』場面写真。永里健太朗さん演じる主人公・篠田泰明(右)と、北村優衣さん演じるヒロイン・高村美沙子

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新たに解禁された『永遠の待ち人』場面写真。永里健太朗さん演じる主人公・篠田泰明(左)と、高崎かなみさんが演じるヒロイン・篠田麻美

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新たに解禁された『永遠の待ち人』場面写真。永里健太朗さん演じる篠田泰明(右)と、北村優衣さん演じる高村美沙子

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新たに解禁された『永遠の待ち人』場面写真。永里健太朗さん演じる篠田泰明

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新たに解禁された『永遠の待ち人』場面写真。高崎かなみさんが演じる篠田麻美<

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新たに解禁された『永遠の待ち人』場面写真。北村優衣さん演じる高村美沙子

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新たに解禁された『永遠の待ち人』場面写真。高崎かなみさんが演じる篠田麻美

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新たに解禁された『永遠の待ち人』場面写真。永里健太朗さん演じる篠田泰明(左)と、北村優衣さん演じる高村美沙子

 また、すでに公開されている太田監督のコメント主演の永里さん、ヒロイン役の北村さんのコメントに続き、新たなキャストコメントが公開されました。
 今回コメントを発表しているのは、ヒロインの麻美を演じる高崎かなみさんと、美沙子の元恋人・慎一を演じる釜口恵太さん、泰明に声をかける女性・相沢を演じた藤岡範子さん、泰明の同僚・岡崎を演じたジョニー高山さんの4人。
 高崎さんは、麻美の人物像の解釈や実際には未体験の既婚者役を演じる上で意識した点などを振り返った上で「今回無事この作品が劇場公開されるという事で、大変嬉しく思います。」と公開に迎える心境をコメント。
 釜口さんは「北村さん演じる美沙子が待ち続ける相手が、どんな人物だと作品が面白くなるだろうかということはとても悩みました。」、藤岡さんは「現実と幻想の中で変化していく模様を繊細に表現した三人(※永里さん、北村さん、高崎さん)のお芝居と、所々に出てくる心に刺さる台詞が見所です。」、高山さんは「哲学的でありながらシンプルでピュアな作品」など、それぞれに演じた役や作品について語っています。

篠田麻美役:高崎かなみさんコメント

麻美は生きる世界が狭くて孤独な人間なのかなと私は捉えました。
1人で過ごす趣味や仕事もなく、劇中に出てくる麻美の言葉には、夫とふたりだけの世界に生き、夫に相手をされないと孤独を感じてしまう妻の哀しみがたくさんありました。きっと結婚する前はどんな事があっても2人でいれば乗り越えていけると希望があったはず。
現実は理想通りにはいかず麻美はふと思い切った行動でふたりきりの世界を変えようと前に進みます。
麻美に限らず、泰明、美沙子それぞれの感情が時の流れと共に移りゆく姿が映画にも関わらず文学的に表現されており、観る度に異なる感想が湧き出てくるような作品になっております。

今回初めて夫婦役を演じましたが、私は現実の結婚生活は体験したことがありませんので、私の理想の結婚生活とはかけ離れた麻美を演じるため、撮影期間中は友人とも会わず、現場では監督との打ち合わせ以外はあまり人と話さず、自ら孤独を感じる状況に身を置き、麻美の哀しく切ない思いを表現できるよう過ごしていました。
そんな撮影から約2年半、今回無事この作品が劇場公開されるという事で、大変嬉しく思います。
たくさん悩んで真っ直ぐ向き合った私にとって大切な作品です。
皆様是非劇場でご覧下さい!

桜木慎一役:釜口恵太さんコメント

慎一を理解することはとても難しかったです。自分から声をかけた相手を、無責任に待ちぼうけをさせる、非道な人物だと思いました。それでも慎一なりにその道理はあり、その整合性を考えるのは難しかったです。

美沙子が慎一に執着する理由は、美沙子がかなり意志の強い人だからなのかなと思いました。一度決めたことは曲げない、芯の強い人なのかと。一度愛すると決めたその自分の愛を貫くことに、生きがいを感じてそれを全うしている。人生を主体的に進めていく感じというか。待つという行為が祈りのようにも思えました。

慎一を演じるにあたっては、美沙子との出会いと別れをどう作品に残せるかということを考えました。北村さん演じる美沙子が待ち続ける相手が、どんな人物だと作品が面白くなるだろうかということはとても悩みました。

人を待つ、待たせるという行為はいつまでたっても人間から切り離せないことだと、この作品を通して考えさせられました。どのようにして人を待つか、それとも待たないのか、この作品がみなさんの中に少しでも残ってくれると幸いです。ぜひ劇場の大きいスクリーンでご覧ください!

相沢由香役:藤岡範子さんコメント

私が演じた相沢は、美沙子が待ち続ける恋人の慎一と同じ職業のキャッチセールス(アンケート)をする女性で、美沙子と出会った事で元妻との生活を顧みて反省し、人生や仕事に対する考えが変化し始めた泰明に、たまたま声を掛けてしまったために、思いがけず彼の心情を吐露される役です。それまで自分の頭の中でしか思いを巡らせず、植物にしか語りかける事がなかった泰明から、強く自分の思いや感情をぶつけられる役割だと捉えました。

永里さん演じる泰明は、大人しそうで、静かな話し方から、スイッチが入ったように心情を語り出した時の表情や目に鬼気迫るものがあり、怖さを感じました。ヤバい人に声掛けちゃったから早く逃げたいなぁと思いながらも、問いかけたり、語りかけてくる言葉に力があり、言葉の意味を考えその場から動けなくなってしまい、洗脳されるような感覚にもなりました。

本作は、愛に対する自らの哲学を貫く強さを持った美沙子、愛を手に入れられなくて去った儚くて脆い麻美、そんな二人の女性との関係の中で揺れ動き、悩みながらも自分と向き合い、生きること、前に進むことを模索する泰明。現実と幻想の中で変化していく模様を繊細に表現した三人のお芝居と、所々に出てくる心に刺さる台詞が見所です。

本作には愛、仕事、人生など様々な事についての考えや、問いが散りばめられています。
美しい情景、現実と幻想の中で繰り広げられる人間ドラマをスクリーンでご覧頂き、そんな問いを登場人物たちと一緒に考え、お楽しみ頂けましたら幸いです。

岡崎浩平役:ジョニー高山さんコメント

初めて台本を読ませていただいた時に感じた岡崎の印象は、世話焼きで思いやりがあったりする反面、やや楽観的で嘘がつけないわかりやすい人間なのかなと思いました。「お前1人くらいいなくたって仕事は回るから」という台詞は、場合によっては相手を傷つける言葉になると思うのですが、岡崎自身は決して傷つけようという気持ちはなく、泰明を本当に思っての言葉なのではないかと思いました。

初めは部屋で1人いる泰明をなんとか元気づけようと手土産を持って訪れるのですが、泰明に女性の影がちらつき始める事で岡崎の中で泰明に対する思いや心の変化が起こります。

哲学的でありながらシンプルでピュアな作品、太田慶監督の映画愛がつまった『永遠の待ち人』、是非劇場でご覧ください。
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解禁済みの『永遠の待ち人』場面写真。高崎かなみさんが演じる篠田麻美

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解禁済みの『永遠の待ち人』場面写真。釜口恵太さんが演じる桜木慎一

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解禁済みの『永遠の待ち人』場面写真。藤岡範子さんが演じる相沢由香

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解禁済みの『永遠の待ち人』場面写真。ジョニー高山さんが演じる岡崎浩平

 太田慶監督が、なぜ自分が「白夜」に惹かれるかを探求したい、新たなエンディングを提示することで恋愛の彼岸まで行ってみたい、という想いから制作を思い立ち完成した『永遠の待ち人』は、6月6日金曜日より、東京の池袋シネマ・ロサで公開されるほか、全国順次公開されます。

『永遠の待ち人』あらすじ

仕事中心で家庭を顧みることのなかった泰明(永里健太朗)は、妻の麻美(高崎かなみ)が去ったショックで鬱になり会社を休職しており、唯一の話し相手は、たまに手土産を持って様子を見にやってくる同僚の岡崎(ジョニー高山)と鉢植えである。

ある日、ぼんやり道を歩いていた泰明は美沙子(北村優衣)とぶつかり、美沙子がバッグから落としたナイフを拾う。泰明は美沙子の後を追い、ベンチで本を読んでいる美沙子に話し掛けると、美沙子は恋人・慎一(釜口恵太)を3年間毎日そのベンチで待ち続けているという。「彼はもうあなたのことを忘れてるんじゃないですか」と泰明は言うが、美沙子は「愛は信じることです」と強い意志で恋人を待ち続ける。美沙子に心惹かれた泰明は、美沙子のもとに通い始める。泰明は、美沙子が迷いなく話す愛の定義を聞く度、自分と元妻の関係を反省。もし美沙子が想っている人が自分だったら、と考え、「何か変えてみることでこの悪循環から抜け出せるような気がする」と提案してみるが…。
ポスター

永遠の待ち人

  • 永里健太朗 北村優衣 高崎かなみ
    釜口恵太 藤岡範子 ジョニー高山

  • 監督・脚本・編集:太田慶
  • 撮影:河村永徳
  • 照明:近藤啓二
  • 録音:松川航大
  • 衣裳:赤井優理香
  • ヘアメイク:清水彩美

  • 配給:OTAK映画社

  • 2023年/カラー/16:9/83分

2025年6月6日(金) 池袋シネマ・ロサにて公開 ほか全国順次公開

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