江戸川乱歩没後60周年記念作品「RAMPO WORLD」の最初の公開作となる松田凌さん主演『3つのグノシエンヌ』(ウエダアツシ監督)が10月3日に公開されるのを前に、これまで伏せられていたストーリーが解禁。ポスターと場面写真、予告編も一挙解禁。また「RAMPO WORLD」完成披露舞台あいさつ付き先行上映の開催も発表されました。
日本の推理小説や恐怖・幻想小説の祖として知られる江戸川乱歩が1965年に世を去って60年となる2025年、乱歩作品を原案に舞台を現代へと置き換え新解釈で映画化する「RAMPO WORLD」3作品が、10月3日より連続公開されます。
その最初の公開作『3つのグノシエンヌ』は、1925年発表の短編「一人二役」が原案。刺激を求めて別人に変装して妻の反応を観察する男の物語である原案を、売れない役者である主人公が後輩に架空の人物を演じさせて自分の妻を口説かせるという、倒錯した愛情の物語として現代に蘇らせました。
コミックを映画化した『うみべの女の子』(2021年)などのウエダアツシ監督が、脚本と監督をつとめています。
売れない役者で妻との関係が冷え切っている主人公・西哲郎を演じるのは「『進撃の巨人』-the Musical-」など多くの人気舞台に出演するほか映画『追想ジャーニー リエナクト』(2024年/西健二監督)など映像作品でも活躍する松田凌さん。
そして哲郎の妻で教師として働く晴(せい)には『雨ニモマケズ』(2024年/飯塚冬酒監督)で主演をつとめた安野澄(あんの・ゆら)さん、哲郎の後輩役者の悠介には舞台やテレビドラマなどで活躍する岩男海史(いわお・かいし)さん、哲郎の愛人・茉莉には『逃走』(2025年/足立正生監督)など出演する前迫莉亜(まえさこ・りあ)さんと、共演にも実力派が集まりました。
解禁された『3つのグノシエンヌ』場面写真。松田凌さん演じる主人公・西哲郎(左)、安野澄さん演じる晴(中央)、岩男海史さん演じる悠介
解禁されたポスターヴィジュアルは、主人公の哲郎が、目隠しをした妻・晴を後輩の悠介とふたりで挟むという、背徳感を漂わす写真に「妻が愛したのは――俺ではない俺だった」というコピーが添えられたデザイン。
場面写真も、晴を挟む哲郎と悠介のカットや、物陰から様子を窺う哲郎、釣堀で釣り糸を垂らす哲郎と悠介、関係を深めていく晴と悠介など、登場人物たちの絡み合う関係性が窺えるカットが。
予告編は、哲郎が「退屈なんだよ……」と悠介相手に心情を吐露する場面で幕を開け、刺激を求める哲郎が悠介に「中川純平」という架空の人物を演じさせ、自分の妻・晴に近づかせるという倒錯した行為に出る過程、そして晴と「純平」の関係が深くなるにつれ自身も予想していなかった強い嫉妬心に駆られていく哲郎の姿が、タイトルに引用されているエリック・サティの曲「3つのグノシエンヌ」に乗せて映し出されいき、愛人・茉莉を含めた登場人物たちの関係の行く末への想像を掻き立てていきます。
「RAMPO WORLD」は、『3つのグノシエンヌ』以降も、10月17日より平埜生成(ひらの・きなり)さん主演・平波亘監督の『蟲』、10月31日に見津賢(みつ・さとし)さん主演・山城達郎監督の『白昼夢』と、『3つのグノシエンヌ』も含めて3作品が連続公開。
9月4日には「RAMPO WORLD」公開を記念した完成披露舞台あいさつ付き先行上映会がシネマート新宿で開催され、3作品のメインキャストと監督が舞台あいさつをおこない、『3つのグノシエンヌ』が公開に先駆けて上映されます。
100年前に発表された乱歩作品を原案に、倒錯した愛を描き出していく『3つのグノシエンヌ』は、10月3日より東京のシネマート新宿、池袋シネマ・ロサほか、全国ロードショーされます。
解禁された『3つのグノシエンヌ』場面写真。松田凌さん演じる主人公・西哲郎