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少女が問いかける――12月公開の坂本悠花里監督『白の花実』美しく危ういポスターと予告編解禁

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解禁された『白の花実』ポスターヴィジュアル ©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO(※クリックで拡大します)

 美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんらをキャストに迎え、寄宿学校に通う少女たちを繊細に描く坂本悠花里監督の長編デビュー作『白の花実』(しろのかじつ)が12月26日に公開されるのを前に、ポスターヴィジュアルと予告編が解禁。また作家の嶽本野ばらさんがコメントを寄せています。

 『白の花実』は、転校を繰り返し寄宿学校へとやって来た杏菜と、寄宿学校のカリスマ的存在ながら自ら命を絶ってしまう莉花、莉花の幼なじみの栞、3人の少女の関係を軸に「死の向こう側」を描き出すファントム・ファンタジー。

 杏菜をCMやモデルとして活躍する美絽(みろ)さん、栞をCMや映画『ストロベリームーン』(2025年/酒井麻衣監督)などに出演する池端杏慈(いけはた・あんじ)さん、莉花をミュージックビデオやテレビドラマ「DOPE 麻薬取締部特捜課」(2025年)などに出演する蒼戸虹子(あおと・にこ)さんと、各方面で活躍する期待の新星たちが豪華に共演するのに加え、河井青葉さん、岩瀬亮さん、伊藤歩さん、門脇麦さんら、数々の映画に出演する実力派キャストが出演。

 MOOSIC LAB 2014上映作品『おばけ』(2014年)やオムニバス『21世紀の女の子』(2018年)の一編「reborn」(※坂本ユカリ名義)など、短編や中編作品を手がけてきた坂本悠花里(さかもと・ゆかり)監督が脚本と監督をつとめ、長編劇場監督デビューを果たします。

 日本公開に先駆け、先日スペインで開催された第73回サン・セバスティアン国際映画祭(San Sebastián International Film Festival)でNewDirectors部門クロージング作品として上映された『白の花実』が、12月26日よりいよいよ劇場公開。
 公開に向けて解禁されたポスターヴィジュアルは、黒い服に身を包んだ主人公の杏菜と、杏菜の膝にもたれる栞が視線をこちらへと向け、杏菜のうしろには莉花が立ちひとり視線を落とすという、3人の少女の美しくもどこか不穏な姿に「あなたは、あたしの、誰なんだ」という誰かが誰かに向けたセリフのようなコピーが添えられ、作品の描く世界を予感させます。
 同時に解禁された予告編は「ねえ、莉花って、なんで自殺しちゃったんだと思う?」と問いかけるセリフで幕を開け、物語の展開を追うように杏菜、莉花、栞たちが寄宿学校で過ごす時間が、少女映画の名作『ピクニック at ハンギング・ロック』(1975年・豪/ピーター・ウェアー監督)を想起させるような映像で綴られ、莉花の行動が杏菜や栞、周囲の人々にもたらすものが描かれ、本編への期待を高めていきます。

【『白の花実』予告編】

 そして、予告編でも使われている、作家・嶽本野ばらさんのコメントも解禁されました。
 少女たちを主人公にした小説を多く執筆し『下妻物語』(2004年/中島哲也監督)『ハピネス』(2024年/篠原哲雄監督)など映画化作品もある嶽本さんは、小女性が抱える危うさを伝えるような表現で『白の花実』の魅力を語っています。

作家:嶽本野ばらさんコメント

果実の中で種子が抱いているのは世界への希望か恐れか?
何にでも染まる筈の白が一点の汚れも拒む時、称賛は非難に変わる。
少女は誠実と残酷の二律背反に折り合いをつけない。
だから彼女達の命は花となり揺れる。

 また、Instagramの作品公式アカウントも開設され、作品の世界を伝える写真が続々と投稿される予定となっています。

『白の花実』公式Instagramアカウント

 新鋭監督と期待のキャストたちにより少女映画の新境地を拓く『白の花実』は、12月26日金曜より、東京の新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国順次公開されます。

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『白の花実』より、美絽さんが演じる主人公・杏菜(中央)、池端杏慈さんが演じる栞(左)、蒼戸虹子さんが演じる莉花

『白の花実』ストーリー

周囲に馴染めず、転校を繰り返す杏菜が、新たな寄宿学校で出会ったのは、美しく完璧な少女・莉花。
しかし、莉花は突然、屋上から飛び降りて命を絶ってしまう。残されたのは一冊の≪日記≫。ページをめくるたび、莉花の苦悩や怒り、痛み——そして、言葉にできなかった“ある秘密”が浮かび上がる。やがて日記から青白く揺れる“鬼火”のような魂が現れ、杏菜の心に静かに入り込み…杏菜は予想もつかない行動へと踏み出す——。
ポスター

白の花実

  • 美絽 池端杏慈 蒼戸虹子
    河井青葉 岩瀬亮 山村崇子 伊藤歩 吉原光夫
    門脇麦

  • 監督・脚本・編集:坂本悠花里
  • プロデューサー:山本晃久
  • 製作・配給:ビターズ・エンド
  • 制作プロダクション:キアロスクロ

  • 2025年/カラー/ビスタサイズ/5.1ch/DCP/110分

2025年12月26日(金) 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

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