2024年に公開された特撮ファンタジー『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』の総監督で、公開後に逝去された特殊美術造形家・村瀬継蔵さんを偲んで、2月11日に「映画のまち調布 シネマフェスティバル2025」で2月11日に『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』の上映とゲストによる舞台あいさつがおこなわれます。
1935年生まれの村瀬継蔵さんは、1958年より特殊美術造形の世界で活躍。東宝の「ゴジラ」シリーズや大映の『大怪獣ガメラ』(1965年/湯浅憲明監督)「大魔神」シリーズ、テレビ作品でも東映の「仮面ライダー」(1971年)や円谷プロダクションの「ウルトラマンA」(1972年)など、日本特撮を代表する作品で怪獣やヒーローの造形を担当。日本特撮の着ぐるみ造形の礎を築いた功績から、令和3年度文化庁映画賞(映画功労部門)や第47回日本アカデミー賞協会特別賞などを受賞してきた、まさに怪獣造形界のレジェンドとなる存在です。
その村瀬さんが80歳を越えて初の長編映画の総監督に挑んだのが『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』。村瀬さんが1970年代に構想したプロットをもとに、特殊美術造形家を祖父に持つ少女が祖父が作ろうとしていた映画の世界に入り、祖父の映画の秘密に迫っていくストーリーのファンタジーとなっています。
主人公の朱莉役に子役時代から活躍する鈴木梨央(すずき・りお)さん、朱莉の同級生・卓也役に楢原嵩琉(ならはら・たける)さんと、若手俳優が物語の中心となるキャラクターを演じるのに加え、佐野史郎さん、釈由美子さん、斎藤工さん、映画監督の樋口真嗣さんら、特撮作品に縁の深い俳優陣が多数出演。
スタッフにも、村瀬総監督と同時代から活躍する故・高橋章さんや島倉二千六(しまくら・ふちむ)さん、「平成ゴジラシリーズ」などのデザインで知られる西川伸司さん、21世紀の「ゴジラ」「ウルトラマン」シリーズなどに携わる佐藤大介さんら、日本特撮界の名匠たちが世代を越えて集結しています。
2024年7月26日にTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開された『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』は、着ぐるみで表現された怪獣「ヤマタノオロチ」などアナログ特撮の魅力と、最新の技術によって生み出された独自の世界が多くの観客を魅了しましたが、村瀬さんは公開から間もない10月14日に病気のため逝去され、同作は初の総監督作品であると同時に遺作となりました。
『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』場面写真。鈴木梨央さん演じる主人公・朱莉
『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』場面写真。怪獣・ヤマタノオロチ
このほど決定した追悼上映は、東京都調布市で2019年より開催されている「映画のまち調布 シネマフェスティバル」の企画として実施されるもので、2月11日火曜日に『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』が2回上映され、上映後には舞台あいさつを予定。
舞台あいさつには、村瀬さんの親交があり、現在の特撮界を牽引する造形・美術スタッフである、造形師の若狭新一さん、特撮美術監督の三池敏夫さん、造形師でアニメ特撮アーカイブ機構修復師の原口智生さんが登壇予定。
さらに『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』スタッフ・キャストから、佐藤大介特撮監督、出演者の町田政則さんと馬越琢己さんが登壇予定となっています。
追悼上映のチケットは、1月9日木曜日午前9時よりインターネットで一般発売され、陽日より電話販売・窓口販売を開始。チケットなどの詳細は「映画のまち調布 シネマフェスティバル2025」公式サイトに掲載されます。
作品上映と関係者舞台あいさつによって、レジェンド・村瀬継蔵さんが残したものを体感できる、貴重な幾何となることでしょう。
「映画のまち調布 シネマフェスティバル2025」ロゴ ※クリックするとシネマフェスティバル公式サイトへ移動します