太田隆文監督が自らの闘病体験を窪塚俊介さん主演で映画化した12月20日公開『もしも脳梗塞になったなら』の予告編が解禁。また、出演者の藤田朋子さんと田中美里さんのコメント、脳梗塞経験者であるダースレイダーさんと村松健太郎さんの応援コメントも解禁されました。
『もしも脳梗塞になったなら』は、『向日葵の丘』(2015年)『明日にかける橋』(2018年)『沖縄狂想曲』(2024年)など、ハートウォーミングなヒューマンドラマから社会派作品、ドキュメンタリーまで、幅広い作品を送り出してきた太田隆文監督が、脳梗塞に倒れた自身の体験をもとに描く“笑いと感動のノンフィクション作品”。
17年間にわたり映画作りを最優先して無理な生活を続けて脳梗塞を発症した映画監督を主人公に、闘病生活と周囲の人々との関係の中で気づくものが描かれていきます。
主人公の大瀧隆太郎を窪塚俊介さんが演じ、故・大林宣彦監督に師事した太田監督と後期大林映画の常連であった窪塚さんが大林監督の縁で結ばれた初タッグ。
そのほか、藤井武美さん、藤田朋子さん、田中美里さんら過去の太田監督作品にも出演した俳優陣に加え、佐野史郎さんら、多彩なキャストが顔を揃えています。
『もしも脳梗塞になったなら』場面写真。窪塚俊介さんが演じる主人公の映画監督・大瀧隆太郎
12月20日の公開に向けて解禁された予告編は「実話です。」というポップな文字で幕を開け、映画作りに奮闘する主人公・大瀧隆太郎が身体の不調を感じて脳梗塞と診断される過程が描かれ、周囲の無理解に大瀧が落胆する一方で彼を支える友人たちの存在、さらに不安や葛藤を経て大瀧が見出すものが描かれていきます。
そして予告編とともに、出演者コメントと応援コメントも解禁されました。
また、ラッパーでありドキュメンタリー『劇場版 センキョナンデス』『シン・ちむどんどん』(いずれも2023年)で監督をつとめたダースレイダーさんと、映画関連の文筆活動で知られる映画文筆屋の村松健太郎さんの、脳梗塞経験を持つおふたりが応援コメントを寄せています。
主人公のネット仲間・雀役:藤田朋子さんコメント
まだまだリハビリ中の監督は、この映画の事を紹介する一言めに「自分の身にほんとに起こった出来事」の映画だ、と話し始めます。
それは勿論、そう。でももっと私は「ほんとの愛」の映画だ、と紹介したい。病気になり、困った時の「トリセツ」映画ではないです。もちろん、そういう要素を軸に話は進んでいます。「闘病中に頑張って仕上げた」みたいな要素は忘れて欲しいのです。
最悪な状況だと思える時に出会う様々な「愛」が真ん中に在る。
死と闘うシリアスな映画ではありません。かといって爆笑の連続というようなコメディともまた違う。
病気を抱えた人には辛い場面もあるかもしれません。
でもどんな時にも、この世界には「愛が溢れてるんだね」って感じる。
What a wonderful world!
太田監督らしく、こんなくすぐったいタイトルでも良かったんじゃないのかな、って思いました。
そんな「世界」に涙が溢れます。太田監督の真骨頂です。
油断禁物!涙腺崩壊映画制作の第一人者、太田隆文監督作品です。不意打ちで涙が出ちゃいます。
劇団太田隆文みたいなキャストでお送りするこの映画。観て欲しい。劇団員の一人として(笑)次回作にも出たいので、これを最後の作品にしない為にも、是非、足を運んで監督の心の炎を焚き付けて下さいませ!
主人公の母・秋子役:田中美里さんコメント
オファーをいただいた時、太田監督ご自身が経験したことを映画にするとお聞きし、
今まで以上に強い気持ちで取り組まれるのだろうなと感じましたし、ぜひ参加したいと思いました。
監督のお母さま役ということで、プレッシャーでもありましたが、そんな大切な役を私に託してくださって、
とても嬉しかったです。実際のお母さまの印象に少しでも近づけたらなと強く思いました。
できるだけ期待に応えられたらと思いました。
息子の身体のことや仕事のことを心配はしながらも、さりげなく寄り添い、
息子の選んだ道を否定しないで応援している感じを意識しました。
幼少期の息子とテレビで映画を観ているシーンがあるのですが、
真顔で夢中に見入っているのが実際のお母さまに近いとお話しされていたので監督のその言葉を参考にしました。
息子役の窪塚俊介さんは、細部にかけて真摯に役に向き合っている姿がとても印象的でした。
納得できるまで相談してくれたり、話し合ってくださるので、嘘のない信頼できる方だと思いました。
そのおかげか、1日という短い撮影でしたが、すぐに母親になることができましたし、
「想い合う」ということが自然にできました。向き合って話すシーンがあるのですが、明るく背中を押してあげたいのに、
窪塚さんの表情を見ていると涙が出そうになってしまい我慢するのが大変でした。
太田監督の『向日葵の丘 1983年・夏』で私が演じたみどりの高校時代役を演じた藤井武美さんと約10年ぶりにお会いしましたが、すっかり素敵な大人な女性になられていて、時が経つのは早いなぁと、、。
兄(窪塚さん)に想いをぶつけるシーンを間近で見ることができたのですが、
今まで溜まっていた気持ちが溢れていくのがすごく伝わってきました。
家族や人との繋がり、どうしても譲れない夢や大切なもの、、
思いもよらない事が起こったり、上手くいかない時に
もう少し踏ん張ってみようかなと思える作品です。
ぜひ、劇場で観ていただけたら嬉しいです。
ラッパー・映画監督:ダースレイダーさん応援コメント
僕は2010年6月末に脳梗塞になった。合併症で左目を失明、右目は手術で新生血管(大瀧の心臓の血管にも出来ていた急拵えの血管)を除去したことでかろうじて視力を保つことができた。実は脳梗塞の症状は脳のどの部位が損傷するかによって変わる。つまり脳梗塞にも個性がある。僕の場合は小脳が損傷し、三半規管が機能しなくなった為、バランス感覚を失っていた。1ヶ月半ほどでバランスは回復したが左目は一生見えないままだ。僕は左目に眼帯を装着し、自身の状態を「NO拘束」と呼び替えた。さまざまなものを失ったが故に自由な思考を手に入れられると考えたのだ。一人7役をこなしながら映画を作っていた大瀧は脳梗塞で両目の視界が半分になったことで、むしろ今まで見えていなかったものが見えるようになる。それは人の存在であり、人が織りなす社会の存在だ。この映画は大瀧が脳梗塞を経てNO拘束に至る経緯を描いた感動作だ。やっと見えるようになった母との対話には涙が出てしまう。
映画文筆屋:村松健太郎さん応援コメント
この映画は脳梗塞という病の大変さを描くのではなく、その病とどう付き合うかについての映画だ。
脳梗塞は怖い病であり、完治はしない病でもある。一度罹った者にとって、この映画の主人公の抱える事情は凡そ他人事とは思えない。
ただ、脳梗塞罹患者の生活の大変な事柄を丁寧に描きつつもその部分を極端に悲観的に描いていないこともまたこの映画がリアルに感じられる。この病に罹った本人や身近な人々は思い当たることばかりだと思う。
さらに一歩踏み込んで言えば、どんな人物であっても人生何かしらのアクシデントには遭遇する。そんな時、人はどう動き、何を考えるのか?そんな“もしも”について考えるきっかけにこの映画はなってくれる。
太田隆文監督が「ぼくの闘病生活が誰かの役に立てば」という思いから、万全とは言えない体調の中で制作を進め、監督の思いを受け取った受け取ったスタッフ・キャストとともに生み出した『もしも脳梗塞になったなら』は、12月20日土曜日より、東京の新宿K's cinemaほか全国順次公開されます。