古屋呂敏さんが主演、宮森玲実さんがヒロインを演じる井土紀州監督『愛のごとく』が１月23日新文芸坐ほか順次公開されるのを前に、予告編と場面写真が解禁されました。

　『愛のごとく』は、芥川賞・直木賞双方の候補になるなど将来を嘱望されながら１９６５年に34歳の若さで世を去った作家・山川方夫（やまかわ・まさお）の同名小説の映画化。
　『卍』（２０２３年）『痴人の愛』（２０２４年）と、谷崎潤一郎作品を現代を舞台に映画化してきた井土紀州監督と脚本の小谷香織さんのコンビが、書けなくなった小説家・ハヤオと、元・恋人のイズミの再会から始まる、喪失と再生の物語としてスクリーンに描き出します。
　主人公の及川ハヤオを演じるのはテレビドラマ「VIVANT」（２０２３年）「東京タワー」（２０２４年）などで人気となった古屋呂敏（ふるや・ろびん）さんが演じ、ハヤオの元・恋人の栗原イズミ役には自ら監督した主演作『わたしの頭はいつもうるさい』（２０２４年）で第18回田辺・弁慶映画祭俳優賞を受賞した宮森玲実さん。そのほか、山崎真実さん、吉岡睦雄さん、芳本美代子さん、東ちづるさんらが共演しています。

　１月23日に東京・池袋の新文芸坐で１週間上映されるのを皮切りに全国順次公開されるのを前に『愛のごとく』予告編が解禁されました。
　「最後に聞いたの覚えてる？　”私のこと好きだった？”って」「俺、なんて言ってた？」という会話で幕を開ける予告編は、再開したハヤオとイズミ、そしてふたりの周囲の人々が織りなしていくドラマを想像させる映像が、官能的な表現も交えつつ情感豊かに描かれ「あなたのこと滅茶苦茶にしてやりたかった」のセリフも印象的です。
　また、物語を彩っていく登場人物たちなどを捉えた場面写真も解禁されました。

　さらに、井土紀州監督のインタビュー映像も解禁。井土監督が、原作の魅力や、古屋呂敏さん、宮森玲実さんそれぞれの印象などを語る、約２分強の短時間ながら充実した内容の映像となっています。

　発表から60年以上を経た物語が、才気あふれるキャストと文芸エロスの世界を描いてきたスタッフにより令和の世に映画として蘇る『愛のごとく』は、１月23日金曜日より新文芸坐ほか順次公開されます。

『愛のごとく』ストーリー

青春の行き止まり。女は忘れものを探し、男は捨てたはずの夢を拾う。

小説家としてデビューするが今はライターとして生きる男・ハヤオ（古屋呂敏）は、ある夜、SMに耽る夫婦の姿を垣間見る。夫に束縛される妻がこちらを見てほほ笑むその光景は、背徳と快楽、そして失われた情念の象徴として、ハヤオの心に深く刻まれる。

そんな中、大学時代の恩師の死をきっかけに元恋人・イズミ（宮森玲実）と8年ぶりに再会する。現実と記憶、幻想が交錯する中、彼の心は静かに揺らぎ始め、イズミとの関係に再び引き寄せられていく。

愛とは、幸福とは、人生とは。官能と純文学が織り成す、喪失と再生の物語。