電車の遅延をきっかけに交錯していく人生をティンダン監督が描いた短編群像劇『めぐる』が、撮影から9年を経て3月6日より公開(『エイン』と併映)されるのを前に、特報映像と場面写真、出演者の生越千晴さんと小野花梨さんのコメントが解禁されました。
『めぐる』は、就職活動中の女子大生の些細な行動が引き起こす出来事を通して、小さな行動が見知らぬ誰かの人生を狂わせ、あるいは救っていく様を描いていく群像劇。
舞台や映像作品で活躍する生越千晴(おごし・ちはる)さんが就職面接に向かう女子大生・めぐみを演じ、子役時代から活躍し主演作『プリテンダーズ』(2021年/熊坂出監督)など多くの映画やテレビドラマに出演する小野花梨(おの・かりん)さんが謎の高校生・ユキを演じるほか、小出水賢一郎(こいでみず・けんいちろう)さん、小野孝弘さん、姫愛奈ラレイナさん、泊帝(とまり・てい)さん、ししくら暁子さんらが出演しています。
解禁された『めぐる』場面写真。生越千晴さんが演じるめぐみ
メガホンをとったのは、6歳で来日して日本で育ち、日本映画学校(現・日本映画大学)卒業後は助監督やキャスティングなどで映画に携わっていたミャンマー出身のティンダン(Thein Dan)監督。
脚本はティンダン監督と同じく日本映画学校出身で『おじいちゃん、死んじゃったって』(2017年/森ガキ侑大監督)『愛に乱暴』(2024年/森ガキ侑大監督)やテレビドラマの脚本を手がける山﨑佐保子さんが担当しました。
ボンダンス国際映画祭2022最優秀短編賞、ライジングサン国際映画祭2021日本短編映画部門グランプリ、第3回小布施短編映画祭鴻山部門(観客賞に相当)作品賞、第10回ワッタン国際映画祭(10th Wathann Film Festival)審査員特別賞と、日本・ミャンマーの映画祭に出品され高い評価を得てきた『めぐる』は、劇場公開が予定されていましたが、2021年にミャンマーで取材活動をおこなっていたティンダン監督が軍事政権に講義する市民デモを支持したとして逮捕・拘束されたために公開に向けたプロジェクトが一旦ストップ。監督が2年にわたる拘束から解放されたことを受けて公開プロジェクトが再始動し、撮影から9年を経て3月からの劇場公開が決定しました。
公開に向けて解禁された特報は、制服を着た少女が花を拾うどこか不穏な雰囲気の映像と、それに重なる「あなたが誰かに話を聞いてもらいたいなら、耳元で叫んでも無駄だ」というダイアローグで幕を開け、誰かのセリフらしき言葉に乗せて登場人物ひとりひとりが映し出されていきます。
特報と合わせて、生越千晴さん演じるめぐみ、小野花梨さん演じるユキ、そして小出水賢一郎さんが演じる浪人生のめぐる、めぐるの父で小野孝弘さんが演じる圭一、泊帝さんが演じるスーツの男、めぐみの妹で姫愛奈ラレイナさんが演じる奈緒、登場人物それぞれを捉えた場面写真も解禁されました。
また、生越千晴さんと小野花梨さんがコメントを発表しています。
めぐみ役:生越千晴さんコメント
めぐみ役を演じました、生越千晴です。初めて脚本を読んだのは2017年、もう9年前になります。あまりに前のことで当時どう思ってたか明確には覚えてないのですが、とてもやる意味のある作品だなと感じたのは鮮明に覚えています。
演じためぐみは生きづらさや過去にもがきながら暮らしています。
生きてゆくということは時に人々が知らぬ間に交差したりして、それによって生かされたり殺されたり、恐ろしい世界だなとも感じます。そんな世界にいたら忘れがちになるけど人はいつも人に生かされる。そういうことにめぐみ自身も気づいていくのではないかと感じたのでめぐみの今を大切に演じようと心がけました。
監督のダンさんが拘束される前にこの映画をスタッフさんに託していたことで9年越しに公開されるということ、とても奇跡的なことだと思います。ぜひ劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです!
ユキ役:小野花梨さんコメント
ダン監督とは撮影前後で様々なご縁があり、お会いするたびに驚きのエピソードを沢山教えていただいていました。
その度に温かい言葉をかけていただき、ダン監督とめぐり会えたこの作品が9年もの月日を経て公開されることをとても嬉しく思います。
9年前の自分が今公開されることに照れくささも感じますが、是非劇場でご覧ください!
解禁された『めぐる』場面写真。小野花梨さんが演じるユキ
ときに残酷で、ときに愛おしい人間の姿を描きながら、他人の人生に思いを馳せることの意味を問いかける『めぐる』は、3月6日金曜日より東京のアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開。
公開にあたっては、ティンダン監督の日本映画学校卒業制作作品で、監督自身の体験をもとにミャンマー人少年と弟の家出を描く短編『エイン』が同時上映されます。