日本映画専門情報サイト:fjmovie.com

fjmovie.comトップページニュース一覧>特撮ファンタジー『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』配信スタート BD先行販売プロジェクトも

特撮ファンタジー『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』配信スタート BD先行販売プロジェクトも

 昨年逝去された怪獣造形のレジェンド・村瀬継蔵さんが総監督をつとめた2024年公開の特撮ファンタジー『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』が、10月より各種動画配信プラットフォームにて配信開始。また、クラウドファンディング形式による同作のBlu-rayディスク先行販売プロジェクトも始まっています。

 『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』で総監督をつとめた村瀬継蔵さんは、「ゴジラ」シリーズをはじめとする東宝特撮映画や大映の『大怪獣ガメラ』(1965年/湯浅憲明監督)、東映のテレビ作品「仮面ライダー」(1971年)など、制作会社を越えて多くの作品で造形を手がけ、長年の功績により第42回日本アカデミー賞協会特別賞を受賞した特殊美術造形家。2024年に初の総監督作『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』が公開されましたが、公開後の10月に病気のため89歳で旅立たれました。

 『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』は村瀬さんが1970年代に執筆したプロットをもとにしており、特殊美術造形家を祖父に持つ少女が祖父の作ろうとした映画の世界に入り、世界を破壊しようとする怪獣・ヤマタノオロチに立ち向かうというストーリーのファンタジー作品となっています。

記事写真

『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』場面写真。鈴木梨央さん演じる主人公・朱莉

 主人公の時宮朱莉を子役時代から活躍する鈴木梨央さんが演じ、朱莉の同級生で特撮マニアの城戸卓也役にはヒット曲「パプリカ」で知られるユニット・Foorinで活躍した楢原嵩琉(ならはら・たける)さんと、期待の若手俳優が出演するのに加え、朱莉の母・優子役に釈由美子さん、謎の男・穂積役に斎藤工さん、主人公の祖父・時宮健三役に佐野史郎さん、「監督」役に映画監督・特撮監督として知られる樋口真嗣さんら、特撮にゆかりの深いキャストが集結。

 スタッフにも、美術デザイナーの高橋章さん、デザイナー・マンガ家の西川伸司さん、特殊造形の若狭新一さん、背景美術絵師の島倉二千六(しまくら・ふちむ)さんら、日本特撮界で活躍するクリエイターたちが世代を越えて参加しており、さらに国民的人気の音楽ユニット・DREAMS COME TRUEが主題歌「Kaiju」を書き下ろしたことも話題となりました。

 今年8月には全米8館で劇場公開を果たし世界にも広がりを見せている『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』が、10月より各種動画配信プラットフォームで見放題レンタル配信。
 10月1日水曜日よりU-NEXT、DMM TV、ビデオマーケットでの配信がスタートし、村瀬総監督の誕生日となる10月5日日曜日にはAmazon Prime Videoでの配信もスタートします。

『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』観放題レンタル配信

 また、来年に予定されているBlu-ray ディスク一般販売に先駆け、クラウドファンディングプラットフォーム「うぶごえ」でBlu-ray先行販売プロジェクトがスタートしています。
 このプロジェクトは、クラウドファンディング形式で『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』の限定版Blu-ray ディスクをリターン付きで販売するもので、集まった資金はBlu-ray製作費に充当され、目標金額を越えた場合は製品のグレードアップに使われます。
 先行販売プロジェクトの実施期間は、9月25日木曜日より11月28日金曜日まで。
 リターンには、Blu-rayへの名前掲載や村瀬継蔵総監督のドキュメンタリー『怪獣と老人』DVD、怪獣イラストアクリルスタンドや怪獣ソフビ指人形などの特製グッズ、そして村瀬総監督の私物や『カミノフデ』撮影予備用に制作されていた怪獣ゴラザ頭部の造形物といったほかでは絶対に手に入らない貴重な品々など、さまざまなものが用意されています。

『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』Blu-ray先行販売プロジェクト

記事写真

 『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』は、10月より各種動画配信プラットフォームにて配信開始、来年Blu-ray Disc発売予定。
 また、村瀬継蔵さんと『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』制作を追ったドキュメンタリー映画でBlu-ray先行販売プロジェクトのリターンにもなっているドキュメンタリー映画『怪獣と老人』(中野伸郎監督)が村瀬さんの一周忌上映として10月13日に東京の池袋HUMAXシネマズで特別公開されます。

『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』ストーリー

特殊美術造形家・時宮健三が亡くなった。祖父である時宮の仕事にあまり良い思い出がなかった朱莉は、複雑な心境でファン向けのお別れ会を訪れていた。そこには特撮ファンである同級生の卓也の姿もあった。朱莉と卓也は、時宮が作ろうとした映画『神の筆』に出演する予定だったという穂積と名乗る男と出会う。祖父が映画を作ろうとしていたことを初めて知る朱莉。穂積は、おもむろに鞄から『神の筆』の小道具である筆を手に「世界の破滅を防いでください」と話すと、その言葉とともに朱莉と卓也は光に包み込まれた。気づくと二人は映画『神の筆』の世界に入り込んでいた。そして、映画に登場しないはずの怪獣ヤマタノオロチがこの世界のすべてを破壊し尽くそうとする光景を目の当たりにする。元の世界に戻るため、二人は時宮が作るはずだった映画『神の筆』の秘密に迫っていくのだが…。
ポスター

カミノフデ ~怪獣たちのいる島~

  • 鈴木梨央
    楢原嵩琉 町田政則 馬越琢己 吉田羽花 樋口真嗣 笠井信輔 春日勇斗
    釈由美子 斎藤工 佐野史郎

  • 原作・総監督:村瀬継蔵
  • プロデューサー・特撮監督:佐藤大介
  • 脚本:中沢健
  • 音楽:小鷲翔太
  • 主題歌:DREAMS COME TRUE「Kaiju」(DCTrecords/UNIVERSAL SIGMA)
  • エグゼクティブプロデューサー:村瀬直人
  • 協力プロデューサー:八木欣也
  • アソシエイトプロデューサー:牛田直美
  • 監督補:石井良和
  • アドバイザー:勝賀瀬重憲
  • オリジナルコンセプトデザイン:高橋章
  • 怪獣デザイン:西川伸司
  • 造形監修:村瀬継蔵
  • 特殊造形:村瀬文継/若狭新一/松本朋大
  • >制作:ツエニー
  • 制作協力:ロスガトスワークス/スーパービジョン
  • 配給:ユナイテッドエンタテインメント
  • ©2024 映画「カミノフデ」製作委員会

  • 2024年/カラー/5.1ch/シネマスコープ/74分

2025年10月より各種動画配信プラットフォームにて観放題レンタル配信開始

『怪獣と老人』ストーリー

昭和32年、農業青年・村瀬継蔵は北海道から上京。映画「ゴジラ」で特撮の礎を築いた円谷英二監督のいる東宝映画特殊美術部に入社。デザイン画から「立体像にし生き物化させていく」怪獣造形の世界に浸かることになった。そこで誰もが驚く身近な素材を用いたり、独自の手法を披露し若くして一目置かれる存在に。当時は特撮全盛期で過酷な労働環境…心のモチベーションは「我々は子供たちの夢を造っている」。昭和・平成・令和と年号は代わり特撮ブームは終焉し、数少ない作品もC Gがメインの時代となり、村瀬たちが築いてきた「アナログ怪獣造形」の需要は大幅に減少。過去に手がけた作品の裏話をマニアたちに忌憚なく話す日々に喜びと同時に苛立ちも抱いていた。「俺はまだ引退していない、現役だ」。怪獣造り・アナログ特撮映画への熱量はまだ高いままだった。そして82歳…約半世紀前に自分で書いた「神筆」という怪獣物語を、未経験の監督として映画化することでアナログ特撮の技術を後進に伝えていく使命に駆られ1人動き始める。そこから自信を持ったり失くしたり…思春期の少年のように「挫折」「苦悩」に悩まされながら信じた道を走り続けた男の、80歳代で迎えた青春ドキュメンタリー作品である。
ポスター

怪獣と老人

  • 村瀬継蔵 と映画『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』関係者たち
  • 語り:若林哲行

  • 監督・撮影・編集:中野伸郎
  • 主題歌:増岡謙一郎(ペリカンオーバードライブ)「Dance with “K”」「もうちょっとだけ」
  • プロデューサー:小川剛
  • アドバイザー:佐藤大介
  • 協力プロデューサー:長田安正
  • 協力:有限会社ツエニー/株式会社フリース/特撮のDNA/「カミノフデ」製作委員会
  • 製作・配給:ユナイテッドエンタテインメント

2025年10月13日(月・祝) 池袋HUMAXシネマズにて特別公開

スポンサーリンク